生まれつき敏感な子ども「HSC」

感覚過敏は、聴覚、視覚、触覚、味覚、嗅覚などすべての感覚領域で、さまざまな刺激に対して起こります。感覚過敏のある人すべてに発達障害があるというわけではありませんし、発達障害のある人すべてに感覚過敏の症状が出るわけではありません。他の病気や心理的な要因で、後天的に症状が出ることもあります。HSCは疾患でも疾病でもありません。

視覚過敏:太陽光・電灯光に弱い。テレビなど動きのあるものを見ると疲れる。
文字がゆがんで見える。
聴覚視覚過敏:公共の交通機関に乗れない。学校のクラスがうるさい。人混みがきらい。
突然の音に異常に恐れる。大声を出す人が苦手。電子音などの小さい音も気になる。
触覚視覚過敏:衣服の素材に不快さを感じる。他人に触れられるのがいや。握手ができない。
図書館の本が触れない。すぐに手を洗う。
味覚・嗅覚:味や温度・舌触りなどを口の中で敏感に感じ、食べられないものがある。
特定の匂い(洗剤、化粧品、化学物質由来など)が苦痛で吐き気や頭痛を起こす

このようにいろいろなタイプの「感覚過敏性」という特性を持つ子たちも少なくありません。
特に、緊張やストレスなどの状態では、過敏症状が強く出て、頭痛、めまい、不眠、偏食、摂食障害などが生じて、日常生活に支障をきたして心身ともにとてもつらくなります。子どもの心身の成長にマイナスの影響があるかもしれません。

感覚過敏も悪いところばかりではありません。

  • 視覚過敏の人は、「色彩」の才能や「審美眼」の才能があるかもしれません。
  • 聴覚過敏の人は、「音感」の才能、味覚過敏の人は「料理」の才能、
  • 嗅覚過敏の人は、「調香」の才能など非凡な才能を発揮することもあるのです。

まずは、お子さんの苦手な感覚を把握しておいて、苦手な感覚にできるだけ触れることのないよう場所や環境を調整してあげましょう。ストレスや疲労は、感覚過敏の症状が悪化しやすいので、睡眠や休養を十分にとらせましょう。
学校や外出するときは、サングラス、耳栓、ヘッドホン、帽子など、刺激を軽減させるアイテムを上手く活用することで、苦痛を軽減することができます。身に付けるものや身の回りのものは一緒に買いにいって、お子さんが不快に思わない素材や品物を見つけてあげましょう。