心理カウンセリングとは
カウンセリング場所



ゆったりとソファに座り、気持ちを落着けてお話ができます。自分の言葉で焦らずに話してください。




[check]近年では、価値観が多様化し、人生を歩む上での選択肢も増えました。
昔のように、国全体が一つの目的に向かって進んでいくというのではなく、個人が、自分の人生の意味や使命、生き方などを考える時代になってきています。そのためストレスを感
じることが多い現代では、トラウマ、ひきこもり、登校拒否、摂食障害、依存症、PTSDなど心に起因するトラブルが多くなっています。
[check]心が病んでいるとき、自分で解決できない悩みがあるとき、自分が進むべき方向を迷っているときなど、誰かに助言や手助けを求めるのが普通です。
[check]カウンセリングは、一人ひとりの話を全てを受け入れるとこから始まります。その上で、必要があれば一緒に問題点を整理して、一緒に考えていきます。

カウンセリングの目的

カウンセリング
  • 心理カウンセリングを必要とされる方は、何らかの問題や悩みを抱え、それを「解決したい」「治したい」「緩和したい」などと思うひとたちです。
  • その問題や悩み事は、処方箋で出した薬や鎮静剤などで頭痛や腹痛を治すようにスッキリと解決できることばかりではありません。
  • 解決方法は一人ひとり様々であり1つとは限りません。何が正しい選択か迷うこともあります。そんな場合でも、一人ひとりが自分でじっくり考え、自ら出した結論が正しい答えなのです。
  • 心理カウンセラーは、一人ひとりの悩みや問題を一緒に考え、その過程で子ども自らが自分の可能性に向かって成長していけるように、側面からサポートすることが役目です。
    「自らが未来に向かって希望と夢を持てるように支援すること」

    それが心理カウンセリングの目的です。 

何となく立ち止まってしまった

登校拒否

今まで順調に歩んでこれた道を何となく立ち止まってしまった子どもたちの心は、今まさに不安と動揺の中をさまよっています。そのため、外とのつながりを断ち、他人とあまり接触しない引きこもり状態が続くようになります。そうした子どもたちのために、私たちは何ができるのでしょうか。

一歩踏み出すために

みんなが言うように「本人が動き出すまで、じっと待つこと」でしょうか。それも一つの方法です。しかし、暗闇の中から半歩でも一歩でも外に出られるように手を差し延べることも重要です。もしかしたら、もっともっと大切なことだってあります。長年培った豊富な経験に基づいて、こうした子どもたちが少しでも歩み出せるようになるためのお手伝いをしています。

心の状態・症状

うつ病<depression>

ストレスの多い現代社会の中で現代病の一つとされているのがこのうつ病です。20人に1人が「うつ」にかかっているといわれています。まじめで責任感の強く、几帳面で勉強熱心な人がうつ病になりやすいようです。
そのような人が、ストレスの多い環境や急な生活環境の変化などにうまく対応できず、病気になるとも考えられています。

うつ病の症状

  1. 睡眠障害・・・夜中にも何度も目が覚める、熟睡できない、朝早く目が覚めるなど
  2. 身体症状・・・体がだるい、食欲低下、頭痛など
  3. 気分・感情の障害・・・気分が憂うつ、悲しい、不安でたまらないなど
  4. 意欲の障害・・・物事におっくうになる、興味、関心がなくなる、喜びを感じなくなるなど
  5. 行動障害・・・動作が鈍くなる、身の回りのことができなくなる、自殺企図など
  6. その他の障害・・・悲観的になる、自分を責める、自分がダメな人間に思えるなど
    原因は、脳の機能障害や、ストレスや環境要因などがあります。

強迫性障害<obsessive-compulsive dissorder>

嫌な思考、心的イメージ、言葉などが何度も繰り返して意識にのぼり、それらを認めながらも、気にすまいとすればするほどますます強い不安や嫌な思いを伴う状態に陥ります。
このような繰り返し意識にのぼる観念を「強迫観念」といい、それを払拭するために儀式的な行為(強迫行為)をします。
たとえば

  1. ヒマさえあれば手を洗う
  2. 鍵をかけたかどうか何回も確かめる
  3. 本をアイウエオ順に並べる(ある物がしかるべき所にないとき、きっちりとなおすなどといった行為)
    これらの行為で不安感は軽減されますが、この行為自体が苦痛にもなります。

心的外傷後ストレス障害:PTSD<post traumatic stress disorder>

傷害や虐待、レイプや交通事故の被害者、殺人者の遺族、自然災害の被災者などの体験が原因となって現れる精神的後遺症です。
自身などの天災、交通事故、レイプや児童虐待といった、自らの処理能力を超えるような強烈な体験をした場合、心はその体験から自らを守るために、嫌な記憶を凍結してしまう機能を持っています。
とりあえず、忘れ去られた記憶は時間の経過とともに変化することなく眠っています。しかし、時間が経過した後に、何らかの理由で凍結されていた記憶が解けた場合、非常に生々しいかたちで心の中に戻ってしまうのです。
症状は、激しい恐怖感や無力感、悪夢やフラッシュバックによる過去と同じ出来事の再体験、感情が萎縮することによる極度のうつ状態、睡眠障害、易怒性、集中困難、過度の警戒心・驚愕反応・生理反応などです。
フラッシュバックがPTSDの疾患による現象だと認識し、その症状に悩んでいるのは自分だけではなく、またそれが特殊なことでもないということを知ることで、孤独感が軽減します。

性同性一障害<gender identity dissorder>

オス・メスのような生物学的概念としての性(セックス)に対し、社会や文化の中で後天的に獲得してゆく性を「ジェンダー」といいます。
 
本人が自分のジェンダーに確信が持てなかったり、反対の性に同一感を持ったりする場合を、性同一性障害といいます。
 
多くは幼少の頃から症状を呈し、小児期は男児が人形遊びを好んだり、女児が荒々しい遊びに興じたりもします。
 
思春期に表れる性同一性障害は自分の性に不適切感を持ち、異なる性(同一感を持つ性)の服装をする人もいます。

摂食障害(拒食症・過食症)<eating disorder>

体重や体型へのこだわりや、精神的な理由から、食べることに何らかの障害があらわれます。
 
若い女性に多く見られるますが、小学生や主婦、男性など年齢や性別を問わずだれでもなりうる病気といえます。
 
摂食障害の中で、有名なのは拒食症と過食症です。

  1. 拒食症は、精神的なストレスやダイエットから食事量が減り極端にやせていきます。拒食症が続くと、過食や嘔吐が現れてくることもあります。
  2. 過食症は、拒食症と同じように精神的なストレスやダイエットをきっかけとして、大量に食べてしまい、自責の念にかられて吐いたり下剤を使用したりして体重増加を防ぐこともあります。

チック<tic>

身体の特定の筋肉郡に生じる不随意的・自動的で急速な反復運動反応であり、神経性習癖の一種です。
 
チックの生じる部位はさまざまで、代表的には、まばたき、ほほや口、鼻の回りをピクピクさせる、足踏みなどの身体運動性チックがあります。
 
さらに、シャックリ、咳、奇声などの呼吸性のチックもあり、脳に器質的な問題がある器質性チックと、心理的な問題がある心因性チックがあります。
 
ストレスや不安などの心理的緊張によって悪化するので、くつろいだり何かの活動へ没頭したりすることによって軽減します。

パニック障害<panic disorder>

さまざまなストレスなどの心理的要因が主な原因とされており、突然、心拍数が上がり全身が緊張して冷汗をかき、気が遠くなる状態に陥ります。
 
自分はこのまま気が狂ってしまうのではないか、死んでしまうのではないかという恐怖に陥り、とくに発作が多く見られるのは電車などの乗り物の中で、また発作が起こるのではないかという恐怖(予期不安)で、電車に乗れなくなったり、一度発作が起きた場所へは行けなくなったりすることがあります。
 
パニック障害は、かつては「心臓神経症」や「不安神経症」と呼ばれていましたが、1980年に「病名を『パニック障害』に統一する」と、世界的な取り決めが行われました。
 
アメリカでは100人に3にんの割合で発症しており、日本でもほぼ同率の患者がいると考えられています。

微笑みうつ病

サラリーマンの職場環境が依然厳しいことを映すように、増加傾向にあるのが「微笑うつ病」という、うつ病の一種の心の病です。
 
午前中はボーっとして集中できず、午後からは頑張って働く。話しかけると、ニコニコと異様に愛想が良く、元気そうにふるまうが、実はそれは苦しくうつな状態を周囲に隠そうとする行為なのです。
 
このような状況が続いた場合、蒸発や自殺という最悪の結果を招くことにもなりかねない場合があります。
 
寝起きが悪い、食欲不振、眠れない、午前中集中しないなどの前ぶれがあったら、専門医の診断やカウンセリングを受けることが大切です。
 

神経症

心理学で扱う心の病気は、薬を使わない方法、つまり精神医学とは異なります。
 
一般的にカウンセリングの対象にされる神経症は、不安神経症や強迫神経症などです。
 
「不安」という感情は人間誰しもが持っている要素ですが、不安神経症の場合、必要以上に不安を感じてしまい、ひどくなるとパニック障害の状態に陥ったりします。
 
強迫神経症では、あることをしていないと、「落ち着かない」「いても立ってもいられない」状態に陥ります。
 
たとえば、何回手を洗ってもきれいになったと思えない、ガスの元栓を閉めたか気になって、何度も確認するなど日常の行動に現れてきます。
 
それが2回、3回であれば強迫神経症とは言いませんが、20回も50回も繰り返せば強迫神経症です。
 
精神病と違う点は、妄想や幻聴、幻覚、重度のうつ病にみられる極度の食欲不振や不眠症などの症状はなく、ごく普通の人にもありがちな部分が、拡大されていると考えられています。
 
そうした症状の場合は、投薬による治療ではなく、カウンセリングで認知や行動を少し変えてあげることで改善されていきます。

トラウマ<trauma>

トラウマとは、ふだん体験しないような恐ろしい体験により、心に生じた深い傷による後遺障害のことをいいます。
 
1970年代に起こったベトナム戦争の帰還兵が、戦場での悲惨な体験により神経症にかかり、それが心に悪い影響を及ぼすといわれたのがトラウマの概念の元になっています。
 
戦場の体験は、「感情鈍麻」「過覚醒」を生みだし、日頃は仕事もできない無気力状態にもかかわらず、ちょっとした物音などに過敏に反応するという症状をもたらせました。これがトラウマによる『戦争後遺症』です。
 
トラウマは、戦争後遺症ばかりではなく、レイプ被害者についてもベトナム戦争の帰還兵と同じように、ちょっとしたキッカケでフラッシュバックなどの症状が出るといわれています。
 
その後の研究では、戦争やレイプだけではなく、災害の被害者や誘拐事件の被害者などにも同様の症状が出ることが確認され、アメリカ精神医学界の診断基準DSM-IIIで、はじめてPTSD:心的外傷後ストレス障害という診断名がつきました。